2011/03/02
歯磨きの回数


昨年の秋、テレビや新聞で報道された以下のニュース。
歯磨きの回数1回やそれ未満の人は2回磨く人より心血管疾患（心筋梗塞や脳卒中）に成りやすいことを示した調査論文が発表された。

詳細をかみ砕いて書きます。
論文は、British Medical Journalという医学雑誌に５月に掲載されました。
スコットランド在住の３５歳以上の男女に、１日何回歯磨きをするか尋ねた。
そして平均８年間で、その人たちの全身の炎症状態がどう変化したか、
また、心血管疾患の発症やそれによる死のリスクがどれだけ高くなったかを調査した。


すると、全身に炎症があるかどうかを現す物質の血中濃度は、歯磨きの回数が少ないほど高くなる傾向があったとのこと。
また、１日に２回歯を磨く人たちより、１回だけ磨く人たちの心血管疾患の罹患リスクは1.3倍高かった。さらに、１回未満の人たちではリスクは1.7倍と高かった。
そして、口腔衛生を怠ると低レベルの全身炎症や心血管疾患を発症するリスクが上昇するのだと結論づけています。

それじゃ、２回磨けばいい！私は２回磨いてるから大丈夫！

それはそうなんですが、落とし穴があるのに気づいて欲しいのです。

１．歯みがきの回数だけでなく、質はどうなんだろう？
２回磨いても１，２分の大雑把なものと、丁寧で時間をかけた磨き方１回では、果たして前者のほうがリスクは低くなるのでしょうか？


２．それから、この調査はあくまでスコットランドに住んでいる人が対象です。

スコットランドの人の食事内容と磨き方は、日本人とどんな違いがあるのだろうか？
よく調べていませんが、もしかしたらスコットランドの人の磨き方は日本人より一般的に丁寧、質が良いのかもしれない。（その逆もあるかもしれませんが。）今の磨き方で回数だけ増やして、果たして心血管疾患のリスクを下げられるのか。
現在の日本人の日本食では、2回で十分なのか不十分なのか？


３．前向きに考えたとき、2回磨いて更に丁寧に磨けば、もっと心血管疾患のリスクを減少させられるかもしれない！

そんなことも考えて、このニュースを聞いていました。

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